Zhipu AIは旗艦モデル「GLM-4.6」を正式に公開した。今回のモデルはGLMシリーズで最も強力なコード特化型大規模言語モデルと位置づけられ、前世代のGLM-4.5に比べてコード能力が27%向上した。公開ベンチマークや実際のプログラミング課題においてClaude Sonnet 4と同等の性能を発揮し、中国国内のモデルとしては最高水準に到達したとされる。
上下文処理能力は128Kから200Kに拡張され、長大なコードや複雑なエージェントタスクに対応。推理におけるツール呼び出し、検索エージェントの精度、文章生成の文体や可読性も改善された。特に74件の実プログラミング課題を用いた検証ではClaude Sonnet 4を上回り、同時にトークン消費を30%以上削減したことも強調されている。
さらに、GLM-4.6は中国製ハードウェアへの最適化でも注目を集める。Cambricon(寒武紀)のチップ上でFP8+Int4混合量子化による低コスト推論を実現し、Moore Threads(摩尔线程)の新世代GPUでもFP8精度で安定稼働を確認。これにより、中国製モデルと中国製半導体チップの組み合わせによる本地運用の可能性を切り開いた。
あわせてGLM Coding Planも刷新され、個人向けでは月額20元の基本プランから、企業向けの高負荷対応プランまで展開。既存ユーザーは自動的にGLM-4.6にアップグレードされ、画像認識や複数の主流開発ツールにも対応する。今後はMaaSプラットフォームbigmodel.cnや海外向けz.aiに加え、Hugging FaceやModelScopeでMITライセンス下のオープンソース提供が予定されている。