米ベンチャーキャピタル大手Andreessen Horowitz(a16z)のパートナーMartin Casado氏は、米国のAIスタートアップの約80%がOpenAIやAnthropicではなく、中国発のオープンソース大規模AIモデルを活用していると指摘する。脇役と見られていたオープンソース系モデルが、米新興企業の基盤へと位置づけを変えつつある。
報道各氏によれば、中国の公開モデルは性能面でも優位性を示し始め、MetaのLlamaを含む西側のオープンソースモデルを上回る例が増えている。Metaは当初Llamaの公開で評価を得たが、近年は「超知能」志向への戦略転換に伴い、オープンソースからクローズドソースへ舵を切る。一方Casado氏は、中国モデルの拡散という現実に対し、自らのオープンソース推進で応じるべきだと主張する。
象徴的なのがDesign Arenaのランキングだ。ユーザー投票型の比較で評価される同指標では、直近のオープンソース枠で上位16席を中国勢が独占。DeepSeek、Zhipu AI、Moonshot(Kimi)、Qwenなどが並び、米側のGPT-oss-120Bは17位にとどまった。実利用に近い使用感の評価軸で、中国のオープンソースモデルが優位を固めていることを示す。
コストパフォーマンスの高さは、資金制約の厳しいスタートアップにとって決定的な要因であり、採用の後押しとなる。コミュニティでも「中国モデルはコスト面で合理的」という声が多く、グローバルなAI競争の土俵で中国のオープンソース勢が存在感を急速に拡大している構図が浮かび上がる。