アリババは業務コラボレーションプラットフォーム「DingTalk(釘釘)」でAI 1.0を正式発表し、AIネイティブ時代の到来を宣言した。新しいDingTalkは、業務情報フィード、企業向けAI検索、AIスプレッドシート、AI議事録、AIハードウェアDingTalk A1など10を超えるAI製品を同時公開した。
業務情報フィードは、AIが業務関連の情報やタスクを優先度ごとに整理し「情報カード」として提示する仕組みで、人が情報を探すのではなく「事が人を探す」形に転換する。また、自然言語で各種エージェントを操作できる統合入口として設計されている。
AI検索は、検索とナレッジ検索を組み合わせた企業向けエンジンで、社内の人・事・知識を権限範囲内で提示する。さらに「AI Fusion」エンジンにより、世界50以上の大規模モデルを比較接続でき、最適なモデルを選択できる柔軟性を備える。
AIスプレッドシートは、従来の業務表をAI時代のアプリ生成基盤へ拡張し、対話によるアプリ生成、自動化ワークフロー構築、統計処理を実現する。さらに100以上の「フィールドAgent」を実装し、テキスト・画像・音声・動画処理を含むマルチモーダルAIをスプレッドシート内で活用できる。阿里雲(Alibaba Cloud)の技術を活かした新アーキテクチャ「O-Table」も導入された。
新たに発表されたAI議事録は、会議内容を自動転写・要約するツールで、AIハードウェア「DingTalk A1」と連携する。A1は磁吸式の小型デバイスで、6マイクアレイと骨伝導技術を搭載し、遠距離収音と高品質音声を実現する。45時間駆動に対応し、月1000分の無料音声転写と10GBのクラウド保存を提供する。A1はAI議事録機能とToDo、日程管理とも統合され、複数のAIエージェントを呼び出すことが可能だ。
アリババは過去10年で新たな働き方を築いてきたが、今後の10年はAIによって再定義されるとしている。すでに公式サイトやアプリストアで最新バージョンが提供開始されている。