テンセント、時価総額7,000億ドル回復──AIと海外ゲームが成長を牽引

出典:https://mp.weixin.qq.com/s/DSHtP1jmnY-V8wXyExFrOw

概要ポイント
  • AI投資が広告・ゲーム・企業サービスで直接収益化
  • Hunyuan大規模モデルと3D生成モデルが産業応用を拡大
  • 海外ゲーム収入が過去最高、国内もAI活用で進化
  • 企業向けAIソリューションとクラウドの国際展開が加速
本文

テンセントは2025年第2四半期決算で総収入1,845億元(約3兆7,000億円、前年同期比15%増)、営業利益692.5億元(約1兆3,900億円、同18%増)を計上し、市場予想を上回った。これにより同社の時価総額は約7,000億ドル(約102兆円)に回復した。


最大の要因は、AI技術が広告・ゲーム・クラウドといった中核事業に深く統合され、収益化フェーズに入ったことだ。AI関連の研究開発投資は前年同期比17%増の202.5億元(約4,060億円)に達し、自社開発のHunyuan大規模モデルシリーズは多様なパラメータの小型モデルや3D生成技術を含め急速に進化。特にHunyuan 3Dモデルは開源化で世界的に普及し、ゲームや3Dプリントなど幅広い産業で採用が進んでいる。


広告分野ではAIによる効果改善で収入が357.6億元(約7,180億円)と過去最高を更新し、企業向けサービスではAIソリューション需要が成長を加速させた。ゲーム事業は国際市場売上が188億元(約3,770億円)で35%増となり過去最高を記録し、『部落衝突:皇室戦争(Clash Royale)』や『PUBG MOBILE』、『沙丘:覚醒(Dune: Awakening)』など海外タイトルが好調。国内市場でも『王者栄耀(Honor of Kings)』や『和平精英(Game for Peace)』がAI機能を実装し、プラットフォーム化を進めている。


クラウド事業では多様なAI開発ツールや垂直型エージェントを提供し、東南アジア・中東・日本を含む80以上の国と地域に拠点を拡大。AIとグローバル化の二大エンジンにより、テンセントは利益成長と産業基盤強化を同時に実現している。