Notionの共同創業者兼CEO Ivan Zhaoは、ポッドキャスト「Decoder」で、SaaSの歴史とAI時代におけるソフトウェアの方向性を語った。彼は、過去15年間のSaaSが多数の縦割りツールを乱立させ、情報やプロセスが孤立する「情報分断」を拡大させたと指摘。Notionはこれに対抗し、モジュール化された機能を組み合わせ可能な統合型プラットフォームを構築し、ユーザー自身が業務フローやデータ構造を自由に設計できる環境を提供してきた。
AIの進化によって、Notionのモジュールは静的ツールから能動的に協働する「AIチームメイト」へと進化しつつある。Zhaoは、少人数のスタートアップがAIの活用で10人規模の業務遂行力を持つ未来を構想するが、その実現には安定した再現性と長期記憶機能が不可欠だとする。現状のAIは優秀な新人のように柔軟だが一貫性に欠け、持続的学習と信頼性の確保が課題となる。
彼は、ソフト産業が「ツール集合体」から「有機的システム」へ移行しており、その変化速度はインターネット黎明期や摩爾定律時代を凌駕すると述べる。従来の仕様主導型開発から、技術特性を生かした実験的・反復的な開発への転換が必要であり、組織は少数精鋭・職能横断型が求められる。Notionは今後、ユーザーがAIチームメイトを自在に創出し、反復的かつ煩雑な知的作業を任せられる環境の実現を目指す。