清華大学出身の焦剣涛(Jiantao Jiao)らが創業した生成AIスタートアップ「Nexusflow」が、米NVIDIAに買収されたことが明らかとなった。CEOの焦(Jiao)は、UCバークレーの准教授としても知られる研究者であり、買収後はNVIDIAの研究ディレクター兼Distinguished Scientistとして参画。他の創業メンバーである朱邦華(Banghua Zhu)、張健(Jian Zhang)らも主要ポストで合流している。
Nexusflowは当初、生成AIによるセキュリティ支援を目的に設立されたが、トレンドの変化を受けて企業向けエージェント型AI開発にシフト。130億パラメータのNexusRaven-V2をはじめ、GPT-4oと並ぶ性能を誇るAtheneシリーズを公開し、開発力の高さを示した。中でもAthene-V2-Agentは関数呼び出しやツール操作においてGPT-4o専用モデルを凌駕する能力を発揮している。
同社はTogether AIの主要クライアントでもあり、NVIDIAも同社に出資していた経緯があることから、今回の買収はエコシステム内の自然な流れとも言える。焦(Jiao)はSNS上で今後もオープンソースコミュニティに貢献する姿勢を強調しており、技術と開放性の両立を目指している。
NVIDIAは2024年に入って以降、50件以上のAI関連買収や投資を実行。今回の買収も、GPU活用と生成AI最適化という戦略の延長線上にある。朱(Zhu)は今後、企業向けエージェントモデル「Nemotron」の開発チームに参加すると明かしており、Nexusflowの技術がNemotronに統合される可能性が高いと見られている。