3D生成AIを開発するスタートアップVASTが、北京市人工知能産業投資基金と靖亜資本からの出資を受け、Pre-A+ラウンドで数千万ドル(約45〜75億円)の資金を調達した。調達資金は、AI駆動の3D制作ツール「Tripo Studio」や新モデル「Tripo 3.0」の研究開発、エコシステム強化に投じられる。
Tripo Studioは、生成・編集・出力までを一貫して行える世界初のAI統合型3D作業ツールであり、部品の自動分割(HoloPart)、貼図補正(魔法ブラシ)、低ポリゴン変換、自動骨格バインド(UniRig)などを備える。従来は数時間を要していた工程が数分に短縮され、プロ・非プロ問わず導入が進んでいる。
VASTはこれまでにTripoシリーズとして、Tripo1.0から2.5、さらにTripoSR・SG・SFといった数十億パラメータ規模の3Dモデルを展開。Tripo Studioの多機能の多くは2024年「オープンソース強化月間」で公開されており、今後登場するTripo 3.0ではさらなる高性能化が見込まれている。
CEOの宋亜宸は、今後は「製品化・商用展開」に注力するとし、3D制作の民主化とクリエイター主導の創作支援を進める方針を示した。同社は既にテンセントやバイトダンス、アリババなどの企業と提携し、ゲーム・3Dプリント・建築設計領域でも多様な実用展開を進めている。