中国の大規模言語モデル企業DeepSeekの中核幹部が2024年末に退職し、AIエージェント分野に特化したスタートアップを立ち上げていたことが明らかになった。この人物はCTO相当の職務を担っていたとされ、すでに著名なベンチャーキャピタルから出資を受けており、2025年クリスマス前後に新たなエージェントAI製品を発表予定だという。
この幹部が退職を決断したのは、DeepSeekがV3およびR1モデルを立て続けに発表し注目を集めていたタイミングであり、その背景には大企業の枠組みでは実現しにくい技術革新を追求する意図があったと見られる。AI業界では、大手出身者が独立起業する動きが活発化しており、OpenAIの元幹部らによるSafe Superintelligenceの成功例も象徴的である。
このような動きは、AI業界における技術進化のスピード、大企業の戦略的制約、そしてコア技術を持つ人材の市場価値の高さを反映している。スタートアップ創業者としての柔軟な環境を求める流れは、今後も加速する可能性が高い。
なお、DeepSeek本体については次期モデル「R2」の公開時期やIPOの有無などを巡る憶測が飛び交っているが、現在のところ資金調達や上場の計画はないとの見方が有力だ。