北京大学出身の神経科学者Robert Yang氏が率いるFundamental Researchが、汎用AIエージェント「Fairies(仙女)」を正式リリースした。Fairiesは、GPT-4.1、Claude 4、Gemini 2.5 Proといった最新の大規模言語モデルを自由に選択して利用でき、コーディング、リサーチ、日程調整、PDF変換、ファイル管理など1000種類以上の操作に対応する。
Fairiesの特徴は、アプリケーションごとに常駐する「Sidebar」形式で提供される点にあり、ユーザーは各種作業を行いながら、その場でAIの支援を受けられる。アプリはMac、Windowsのローカル版に加え、Webブラウザからも利用できる。無料で利用可能なほか、より高度な自動化やアプリ統合機能は月額20ドルのProプランで提供されている。
実際の利用例としては、指定条件に応じたノートPCの選定、スケジュール表をもとにした最適な会議時間の提案、複数ファイルの一括変換などが挙げられ、ユーザーの確認を挟む「人間協調型」の設計となっている。失敗時には複数の代替手段を提案する思考プロセスも開示されており、ユーザーが状況を把握しながら操作できる。
Fairiesの開発元Fundamental Researchは、かつて「Minecraft」上で1000体のGPT-4エージェントが自律的に社会を形成する「Project Sid」で注目を集めた。今回のFairiesは、その知見をもとに「現実世界で動作する汎用AIエージェント」として開発され、2024年夏にはさらなるアップデートも予定されている。