中国において、算力分野の2大企業であるHygon(海光情報)とSugon(中科曙光)が合併を発表した。今回の再編では、HygonがSugonを吸収合併する形式を取り、総額4,000億元(約8.4兆円)超の巨大な計算インフラ統合企業が誕生することになる。
Hygonはx86互換のCPU・GPU製品を中心にAI開発環境を提供し、2025年Q1には売上24億元(約504億円)・純利益5.06億元(約106億円)を記録。対するSugonはスーパーコンピュータやクラウドインフラに強みを持ち、全国に製造・研究・展開拠点を持つ老舗企業である。2025年Q1には売上25.86億元(約543億円)、純利益1.86億元(約39億円)を計上した。
現在、SugonはHygonの筆頭株主(27.96%保有)という関係にあるが、合併に際してはHygonが存続会社となる吸収方式が採用された。これは事業規模や市場成長性を反映したもので、今後の中国AI・IT国産化戦略の象徴とも言える。
ただし、今回の合併は今後の社内決議および規制当局の承認が前提であり、正式な実施には不確定要素も残されている。市場関係者や技術業界ではこの動きが中国における計算資源主導の再編加速を象徴する事例として注目されている。