AIデザインエージェント「Lovart」は、画像生成を軸としたAIツールの新たなフェーズを示すプロダクトとして急速に注目を集めている。Manusのブレイクに続き、わずか24時間で2万人以上がウエイトリストに登録し、Elon Muskの「いいね」やGrok公式の反応も得るなど、業界・ユーザー双方の関心を強く引き寄せた。
Lovartは、デザインという垂直領域に最適化されたAIエージェントで、UIにはキャンバスを採用。左にキャンバス、右にチャット、手元には編集ツールという構成で、デザイナーとクライアントが同じテーブルを囲むような創作体験を再現している。
創業者の陳冕（Chen Mian）は、画像生成の進化を「1.0：単点生成」「2.0：ワークフロー構築」「3.0：AIによる自律的実行」と定義し、Lovartは3.0を体現する存在と位置づける。Manusの登場を契機に認識が一気に共有され、市場の追い風を受けて開発が加速した。
Lovart開発チームにはプロダクトマネージャーが存在せず、すべての設計と改善は「教えるデザイナー」によって行われている。教育経験を持つデザイナーたちが、自らのノウハウをAIに教えることで、Lovartは職人的な思考を獲得していく構造をとっている。
将来的には、Lovartを「デザイン会社」や「創造チーム」のような存在に進化させることを目指し、3Dモデリングや音声、映像機能の統合が進められている。複数エージェントによる役割分担と協働によって、ユーザーがAIに指示するだけで一連の制作が完了する環境を構築している。
ビジネスモデルは今後サブスクリプション型へ移行予定。中国市場ではツールへの課金より「成果」への課金文化が根付いており、AIが直接成果物を納品するLovartはそのニーズにも対応できると見られている。
Lovartの登場は、AIと人間の協働のあり方に再定義を迫るものであり、単なるツールから「職業」や「チーム」へと進化しうるAIの可能性を具体化したプロダクトとなっている。
