テンセント、WeChatに汎用型AIエージェント導入へ──AI投資を加速し、Yuanbao(元宝)で次世代のユーザー接点を獲得

出典:https://mp.weixin.qq.com/s/mDkhAK4gTy70aXrK666UFg

Tencent AI Image
概要ポイント
  • テンセントがWeChat向けに汎用型AIエージェントを開発中。
  • AIネイティブ製品「Yuanbao(元宝)」とImaも戦略の一環として強化。
  • AIによる広告最適化で第一四半期の広告収入は319億元(約6700億円)。
  • 2025年に向けて技術職を中心に2.8万人のインターン採用計画を推進。
  • AI関連支出は前年比91%増の274.8億元(約5770億円)に達した。
本文

テンセントは2025年第1四半期決算で、売上高1800億元(約3兆7800億円)、純利益497億元(約1兆400億円)と堅調な業績を発表した。決算説明会でCEOの馬化騰(Pony Ma)は、WeChatに統合される独自の汎用型AIエージェントの開発を明かした。


テンセントは「Yuanbao(元宝)」や「Ima」などのAIネイティブ製品を通じて、複雑な思考や推論、長文対応、タスク自動化まで可能なAI技術を発展させている。一方、WeChatに特化したAIはソーシャルグラフやミニアプリ、動画・記事プラットフォームと連携し、他のAIとは異なる独自性の高い体験を提供する。


馬化騰は、中国ではAIのサブスクリプションモデルは定着しにくく、広告最適化が商業化の主軸になると指摘。AI機能強化により広告収入は前年比20%増の319億元(約6700億円)に達し、10四半期連続の成長を達成した。


AI投資は加速しており、資本支出は前年比91%増の274.8億元(約5770億円)。研究開発、マーケティング支出、Yuanbao(元宝)の導線強化が中心となっている。また、テンセントは最大規模の新卒採用を発表し、2025年には1万人を採用予定。その6割はAI、クラウド、ゲームエンジン等の技術職に充てられる。


Yuanbao(元宝)はWeChat内の「連絡先」にも追加され、ユーザー導線が強化された。今後、WeChatとYuanbao(元宝)の統合はさらに深まる見通しで、テンセントのAI主導戦略の中核を担う。