バイトダンスが展開したAIマーケティングツール「Pippit」は、プロダクト紹介サイト「Product Hunt」の週間ランキングで1位を獲得し、大きな注目を集めた。Pippitは動画編集ツール「CapCut」の派生プロダクトとして誕生し、元は越境EC向けの「Commerce Pro by CapCut」だった。
機能面では、商品リンクから自動的にプロモーション動画を生成する「Link to Video」、AIデジタルヒューマンによる解説、商品画像の自動生成、マーケティングテンプレート管理、SNS投稿、効果分析といったマーケティングワークフローを網羅。OpenAI公式サイトも対象とする柔軟性の高い解析力と、CapCutとのシームレス連携で高度な動画編集も可能としている。
さらに、TikTok向けの素材生成に最適化された設計となっており、短時間でプロ仕様の短尺広告動画を量産できる。HeyGen、VidAU、LinkFox、Pipiadsといった特化型AIツールの要素を1つにまとめた“究極のAIマーケティング統合体”として、他社製品との差別化を図る。
月額25ドルで全機能を利用できる点もコスト競争力が高く、個別ツールを乗り換えながら利用していた中小事業者にとっては利便性が大きい。自社開発の大規模言語モデル「Doubao(豆包)」「Jimeng(即夢)」と、CapCutの音声映像処理機能、TikTokとの連携エコシステムを組み合わせたPippitは、バイトダンスのAIマーケ戦略の要とも言える存在となっている。