Vision Intelligence(未来智能)がAI通訳イヤホン「iFLYBUDS」を主力としたAIオフィスデバイス分野で急成長している。2025年1月と4月に計2度、数千万元規模の資金調達を実施し、グローバル展開と次世代製品開発への布石を打った。
同社は、録音・自動転写・多言語通訳・会議要点抽出といった機能を統合した「iFLYBUDS」を開発。耳元という日常的な接点をAIとのインターフェースと位置付け、単なる音声デバイスではなく“デジタル補聴器”的役割を担わせている。
基盤となるのは自社開発のAIエンジン「viaim AI」。外部APIに依存せず、会議環境やユーザー行動に応じて適応するインテリジェンスを搭載しており、作業の一部として自然に溶け込む体験を提供。この設計により、耳機でありながら76%のユーザー留存率、44%の再購入率という高い数値を記録している。
今後は「iFLYBUDS」の技術基盤を拡張し、音声認識に加えて視覚・感情認識・多モーダルなセンサー制御を備えた次世代インタラクティブ端末の開発に着手。AIエージェントを中核とした、人間の知覚を補完する“第2の感覚”としてのデバイス群を形成しようとしている。
また、viaimブランドでの海外展開も進行中で、北米、東南アジア、香港、シンガポールなどに販売網を構築。現地対応のAIエンジンとサービス戦略を基に、単なるハードウェア輸出にとどまらない、ローカル適応型のグローバル戦略を展開している。
Vision Intelligence(未来智能)の進む道は、AIをどう使うかではなく、AIが人間の知覚や行動の一部となる未来をいかに設計するかにある。iFLYBUDSの進化とその先にある多モーダル端末群は、まさに人機協調の次なるフェーズを示している。