中国のiFLYTEK（科大訊飛）は、大規模AIモデル「Spark X1（星火X1）」の最新アップグレードを発表した。今回の改良により、数学、コード生成、論理推論、文章生成、言語理解といった複数の汎用タスクで顕著な性能向上を実現。OpenAI o1やDeepSeek R1に匹敵する精度を、より小規模なパラメータ数と中国国産の計算インフラで実現している。
最大の特徴は、直感的に素早く応答する「快思考」と、深く熟慮する「慢思考」の両方に対応する統合モデルで、これらを同一モデル内で統合的に訓練する「直感的思考と深い思考を統合した訓練手法」が導入されている。また、ファーウェイ製910Bチップ4枚で私有化展開が可能で、低コストでの導入を実現している。
APIサービスはすでに公開され、5月21日まで無料で利用可能。専用アプリと同様のSpark X1（星火X1）性能を即時に体験できる。さらに、SFTや強化学習を活用した微調整サービスも開始され、MaaSプラットフォーム上で簡単にカスタムモデルを構築可能となっている。
文体模倣や創作、マルチモーダル推論、画像認識、業務応用においても高水準の性能を発揮しており、教育、医療、司法などの重点分野におけるリーダーシップを拡大中。Spark X1（星火X1）を搭載した星火APPやWeb版を通じて、誰でもその先進機能を体験できる。
背景には、大規模多段階強化学習法、直感的思考と深い思考を統合した訓練手法、中国国産インフラ上での安定運用を支えるエンジニアリング技術など、三大技術革新がある。iFLYTEKは今後も中国国産基盤を軸に、AIの産業実装を推進していく方針を示している。
