TripoAIが開発したTripoSGは、画像、テキスト、イラスト、スケッチといった多様な入力から、リアルで精細な3Dモデルを数秒で生成できる高性能AIモデルである。TransformerベースのVAEアーキテクチャを中核とし、SDF・法線・Eikonal損失を組み合わせた混合学習戦略によって、形状の構造性と細部再現力を高次元で両立している。
データ面では、ObjaverseやShapeNetを基にした200万件規模の高品質3Dデータセットを構築。これにより、現実的な構造だけでなく、創造的で複雑な形状や複数オブジェクトの統合出力も可能にしている。画像のスタイルがリアル・アニメ・スケッチいずれであっても、入力内容に高い意味的一貫性を保った3D出力が得られるのが特徴だ。
2025年4月には、TripoSGシリーズの新バージョン「TripoSG-scribble」がリリースされた。これは512トークン構成の軽量モデルで、手書きスケッチ+テキストプロンプトからの即時プロトタイピングに特化しており、より迅速なアイデア出しやデザイン検証を可能にしている。新モデルはCFG-distillation技術を用いており、生成品質と高速性を両立した設計となっている。
TripoSGは現在、GitHubにてコードが公開され、HuggingFaceではブラウザ上で即時試用が可能。また、Tripo3D公式サイトでは商用活用も視野に入れた展開が進んでおり、研究者・開発者・デザイナーにとって注目すべき3D生成AI基盤となっている。