中国のAIロボットスタートアップX-ORIGIN-AI(玄源科技)が、約1億元(約21億円)のPre-Aラウンド資金調達を発表した。出資には東方富海、金鼎資本、聯想之星(Lenovo Star)などが参加し、阿尔法公社が前回のエンジェルラウンドから継続支援している。
同社は「感情的な人間・機械インタラクション」を中核とし、子供から高齢者までの全ライフサイクルに対応した個性化AIモデルを基盤に、スマートロボットやぬいぐるみ型のAIデバイスを開発している。既存のAIハードウェアの限界を超え、マルチモーダル感情協調と動的記憶システムによって人間の言語や感情、状況を深く理解し、自然なフィードバックを可能にする。
CPOの魏英達(Wei Yingda)によれば、同社は過去2年間でAI時代に最適化された技術基盤を構築済みで、2025年には差別化されたインタラクション製品を順次市場に投入予定。創業者の李蕴洲は、AIの具身化によるデータエコシステムがAGIへの認知的飛躍点になると位置付ける。
今後は①端末AIのマルチモーダル解析力とフィードバック精度の強化、②Kickstarterを起点としたグローバル展開と現地サービス体制の整備、③AI OSのAPI公開による開発者との共創による一体型エコシステムの形成を進めるとしている。
出資者も同社の成長に大きな期待を寄せており、東方富海は家庭内エコシステムの中核プレイヤーとしての可能性に注目。聯想之星は“感情に共鳴するAI”への進化を評価し、金鼎資本はIP経済やスマート家電、介護分野での展開を支援するとしている。