Tripoは、シリコンバレーのスタートアップVASTが開発したAIベースの3D生成ツールであり、2024年1月にバージョン2.5が公開された。テキストや画像の入力を通じて、精度の高い3Dモデルを自動生成できる点が特徴で、テンセントやネットイース、バイトダンスなども提携企業に名を連ねている。
Tripoは、構造的な正確性と細部描写の完成度において他の生成ツールを凌駕しており、生成されたモデルはそのままゲームや映像制作に活用可能な水準に達している。例えば「羽があるキャラクター」の生成では、Tripoは自然に羽を体に接続して出力するが、他ツールでは羽が体から分離するケースが多かったという。
生成オプションは豊富で、PBRマップの有無やメッシュ数制限、ネガティブプロンプトなどを細かく設定可能。さらに人体のプロポーションやポーズまで指定できる。生成後には再トポロジー処理やRoblox、Unity、3ds Max、Godotなどの主要ツール向けフォーマットでの出力にも対応する。
Tripoの特徴的な点は、生成性能だけでなく、各種制作ツールとの連携機能にある。BlenderやCursorと連携し、簡易アニメーションの作成やローカル環境でのMCPサービスの構築が可能で、TwitterではGPT-4oと連動してARアニメーションを短時間で生成した例も報告されている。
また、Tripoは今後の展望として、画像・落書き・動画テンプレートなどから複雑な3Dシーンやアニメーションを生成するツールを開発中であり、Apple Vision Proなどの最新環境にも対応予定としている。
料金体系は、無料プランで月600ポイント(最大24モデル生成)が提供され、有料プランは20ドルから。API経由では1ドルで100ポイントが付与され、用途に応じたコスト管理も可能。市場の他ツールと比較しても標準的な価格設定となっている。
Tripoは、単なるAI精度の高さだけでなく、既存の制作ツールとの接続性やエコシステム構築を重視する姿勢で支持を集めており、2025年の3D AIGC市場で存在感を増している。