アリババクラウドが提供する「Bailian(百錬)」プラットフォームは、業界初となるフルライフサイクル対応のMCP(Model-Callable Protocol)サービスを発表した。MCPは、大規模言語モデル(LLM)による外部ツール呼び出しを標準化されたプロトコルにより実現する仕組みであり、従来必要だった煩雑なAPI接続や個別設定を大幅に簡略化できる。
このBailian(百錬)プラットフォームでは、コードを書くことなく、たった5分で企業向けのMCP Agentを構築できる。プラットフォーム内には「MCPマーケットプレイス」「MCP管理」「MCP呼び出し」の3大機能がプリセットされており、ユーザーは既に登録済みのAutoNavi(高徳地図)、Wuying Cloud(無影クラウド)、Google Mapsなど50以上のサービスからツールを選択・接続可能。統一されたプロトコルにより、AI Agentがツールを高速かつスムーズに活用できる環境が整備された。
特に注目すべきは、MCPによる接続効率の高さである。仮に100のAgentが100の外部ツールを使用する場合、従来なら100×100通りの個別設定が必要だったが、MCPではわずか100+100の設定で済む。標準化された設計により、開発・運用コストを劇的に削減可能となった。
ユーザーは「MCPマーケットプレイス」から任意のサービスを一括で開通でき、API Keyなどを入力すれば即時利用可能。自社開発のMCPサービスもFunction Compute(関数計算)を通じて簡単に登録でき、インフラ不要で高速デプロイを実現する。また、AgentはこれらMCPサービスを直接呼び出したり、業務フローにノードとして組み込んだりすることで柔軟な活用が可能となっている。
今後、MCPに接続するツールが指数的に増加することで、モデルの応用可能性は飛躍的に拡大すると予測される。AIが直接アクセス可能な世界が現実となりつつある中、Bailian(百錬)の取り組みはその基盤整備において重要な一歩となる。