中国ゲーム大手miHoYoの創業者・蔡浩宇が立ち上げた新興企業Anuttaconが、AIを活用した新作ゲーム『Whispers From The Star』の実機映像を公開した。映像内では、AIキャラクター「ステラ(Stella)」がプレイヤーと音声で会話し、彼女の運命がプレイヤーの選択によって変化していく様子が描かれている。
『Whispers From The Star』は、宇宙で遭難したステラが唯一コンタクト可能なプレイヤーに助けを求めるという設定で進行。プレイヤーは音声、テキスト、ビデオなどを通じて彼女とコミュニケーションを取り、生存の手助けを行う。物語の進行は固定された脚本ではなく、リアルタイムで動的に変化し、選択次第で結末が大きく異なる設計となっている。
現在はiPhone 12以上を対象にクローズドベータテストが進行中で、公式サイトから申し込み可能。ゲームのインターフェースにはステラの心拍数や環境情報も表示され、プレイヤーとの会話は「送信ボタン」を押したときだけ認識される。
Anuttaconは、プレイヤーごとの「個性に合わせた没入型体験」の提供を掲げる企業であり、AGI(汎用人工知能)という従来のキーワードから、より実用的な体験重視の路線に舵を切っている。Microsoftのグラフィックス専門家やMetaの技術者、Bilibiliの元幹部など、多彩な人材がチームに加わっており、現在約50名体制で開発が進行している。
AIによるゲーム変革は他の企業でも進行中で、MicrosoftはQuake IIにAI Copilotを導入し、NVIDIAはRTX ACEを通じてNPCとの自然会話を実現。こうした流れからも、AIゲームは次なる競争領域として注目を集めつつある。