中国発のAIGC企業として香港市場で上場を果たした先駆けであるMobvoi(出門問問)が、2024年の通期決算を発表した。売上高は3.9億元(約80億円)で、このうち中核であるAIGC事業は2.2億元(約45億円)に達し、全体の56.8%を占めた。登録ユーザー数は1000万人を超え、有料会員も100万人以上に成長。とりわけ注目されるのは、全出荷の95%が海外向けとなったスマートハードウェアと、欧米市場を中心としたソフトウェア製品による海外売上が1.63億元(約33億円)、全体の41.8%に達した点である。
同社は2024年、従来のプロジェクト型AI企業向けサービスから撤退し、標準化されたAIGC製品に注力する構造転換を断行。収益モデルをSaaS型にシフトすることで収益性を高め、毛利率は52.1%を維持した。また、自社開発の大規模言語モデル「序列猴子(Sequence Monkey)」を中核に据え、デジタルヒューマン生成ツール「WetaAvatar」やAI配音ツール「魔音工坊(DubDub)」など、多様なAIGC製品を展開している。これにより、スケーラブルな成長とグローバル市場での競争力強化を実現した。
ハードウェアでは、長年にわたるTicWatchシリーズなどのスマートデバイス開発経験を背景に、最新プロダクト「小問移動数字人(モバイルAIアシスタント)」を発表。AIエージェント機能と複数の大規模モデルを統合し、ユーザーに高度な対話体験を提供している。
こうした取り組みは「産模結合」戦略として展開され、AIモデルと具体的な製品を融合させることで、技術革新と商業化を同時に推進するモデルとなっている。特に、ToSMB/ToPCにフォーカスした市場戦略により、大手との直接競合を回避しつつ安定した顧客基盤を確保している点も特徴だ。
Mobvoiは、2012年にGoogle出身のAI専門家・李志飛氏によって創業され、これまでに紅杉資本やGoogleなどから約2.5億米ドル(約18.2億元)の資金調達を受けてきた。2024年の上場を契機に、AIの商用化における中国企業のロールモデルとして注目されている。