ModelBest(面壁智能)、端末特化AI「MiniCPM(小鋼炮)スーパーアシスタント」発表 ― フルローカル実行と高性能で車載AIを刷新

出典:https://mp.weixin.qq.com/s/roeIL7mkEgDIAObqoy36ww

概要ポイント
  • ModelBest(面壁智能)が純ローカルAIアシスタント「MiniCPMスーパーアシスタント」を発表し車載AI市場へ本格展開。
  • 「MiniCPM(小鋼炮)」はミリ秒応答の高性能モデルとしてスマホ・PC・車載機器に実装可能。
  • 完全端末内動作によりデータ漏洩リスクを排除し、オフライン環境にも強い。
  • GUI・音声・マルチモーダル処理を統合し、視覚UIとも連携した自然な操作を実現。
  • 背景にはModelBestとOpenBMBが推進する、オープンかつ効率的な基盤技術開発体制がある。
本文

中国のAI企業 ModelBest(面壁智能)は、業界初となる純ローカル実行型のAIアシスタント「MiniCPM(小鋼炮)スーパーアシスタント」を発表した。この製品は、同社が開発・運用する端末内大規模言語モデル「MiniCPM(小鋼炮)」を基盤とし、スマートフォンやPC、車載機器など様々なハードウェアに適応可能な超高性能端末AIを実現している。中でも注目されているのが、車載AI領域における展開であり、クラウドを介さずローカルのみで稼働することから、通信環境に左右されず、プライバシー面でも優れた安全性を備える点が高く評価されている。


「MiniCPM(小鋼炮)」は、OpenBMB(Open Big Model Base)プロジェクトを母体とし、GitHub上ではMiniCPMシリーズを含む様々なエッジ向け・研究用モデルがオープンソースで公開されている。OpenBMBの目的は、大規模モデルの開発効率を最大化しながら、教育・研究・産業用途のいずれにも耐えうる柔軟性の高いモデルアーキテクチャを構築することにある。その成果の一つが「MiniCPM」であり、モデルの軽量化とパフォーマンス向上を両立し、端末レベルでもGPT-4クラスの自然言語理解・生成能力を発揮できる。


MiniCPMスーパーアシスタントは、このモデルにGUI操作、音声認識、視覚処理、多モーダル連携といった機能を組み合わせた“フル端末AIアシスタント”として設計されており、車載システムにおける複雑なインタラクションにも対応可能だ。運転中の音声指示によるナビ操作や、画面上の要素を視認してそれに即応する「可視即語」インターフェースを備え、実際の走行環境においても高い操作精度を実現する。既に一汽大衆、長安汽車、長城汽車、上汽、デサイ西威(Desay SV)、中科創達(ThunderSoft)など、中国を代表するOEM企業との提携が進んでおり、最新の自動車販売ランキング上位モデルにも実装が進んでいる。


さらに、MiniCPMスーパーアシスタントは9ジャンル・26種のアプリケーションに対応しており、GUIエージェント、舱内ジェスチャー操作、音声対話、人物・動物認識なども可能。弱ネット・断ネット環境下でも利用可能である点が、車載や屋外でのユースケースにおいて他のクラウド依存型AIとの差別化要因となっている。


ModelBestは「モデル即エージェント、モデル即製品、モデル即インターフェース」という哲学を打ち出し、従来のAIエージェントが抱える「長期記憶の欠如」や「タスク遂行の不安定性」といった課題を根本的に克服しようとしている。モデルそのものがタスク処理主体であるという考えのもと、同社はAIの自律性・応答性をエッジ側で完結させる「真のAgent型AI」の開発に注力している。


その思想的背景として、ModelBestのチームは「大模型密度定律」を提示している。これは「大規模モデルの知識密度は約100日ごとに倍増する」という仮説であり、長期的にはモデルが小型化しながらも高性能化していく流れを予測するものだ。まさにPC黎明期における大型汎用機から個人向け小型端末への進化と同様、AIもやがては端末上で完結し、ユビキタスに展開される未来を想定している。


ModelBestはこの未来像に向けて、研究とプロダクト開発を統合した垂直展開を進めており、OpenBMBとの連携によって、オープン性・透明性を確保しつつ、産業実装可能な技術体系を整えている。端末内AIが単なる補助的機能ではなく、日常のあらゆる場面において「主要なインタラクションの中核」を担う時代を見据え、ModelBestはAGI(汎用人工知能)に近づく次の一歩を着実に進めている。