アリババ・テンセント・バイトダンス、AI時代の“スーパーアプリ”争奪戦が本格化

出典:https://mp.weixin.qq.com/s/KXRgCNhcGILl-9k-u9iW5Q

概要ポイント
  • DeepSeekの登場によりAI基盤とアプリケーションの分化が進行。
  • アリババはQuark(夸克)をAI旗艦アプリに位置付け、多機能統合を加速。
  • テンセントは微信を軸にAI導入を進め、Yuanbao(元宝)への導線を構築。
  • バイトダンスはDoubao(豆包)を中心とするAIアプリ群を展開。
  • 2025年に向けて月間アクティブユーザー(MAU)を巡る競争が激化中。
本文

アリババ、テンセント、バイトダンスという中国インターネット界の三大巨頭が、今AI領域での覇権を懸けた「スーパーアプリ」争奪戦を本格化させている。きっかけとなったのは、汎用AIモデル「DeepSeek」の公開だ。これによりAIは電力のような基盤インフラとしての役割を強め、アプリケーションは具体的な利用シーンに根ざした競争へと移行し始めた。


アリババは、自社開発のマルチモーダルAIモデルを基盤にQuark(夸克)をAI旗艦アプリに指定。検索、問題解決、文章生成、画像生成、プレゼン作成など、多彩なAI機能を統合する“AIスーパー枠”として進化させている。


一方テンセントは、これまでAIにおいては静観の姿勢を見せていたが、DeepSeekの登場を受けて動き出した。微信(WeChat)内にYuanbao(元宝)というAIアシスタントを配置し、検索機能や記事・画像の解析補助機能を提供し始めた。ただし、導線の設計やインターフェースは未だ試行錯誤の段階にあり、ユーザー体験には改善の余地が残る。


バイトダンスは、元来の“アプリ製造工場”としての強みを活かし、Doubao(豆包)や即夢(Jimeng)など10以上のAIプロダクトを同時展開。中でもDoubao(豆包)は注目度が高く、2025年には2〜3億の月間アクティブユーザー(MAU)を目指すとされる。


2025年2月時点でのMAUを見ると、Quark(夸克)が1.46億人で首位、Doubao(豆包)が8190万人、Yuanbao(元宝)が1310万人という構図だ。Quark(夸克)は長年の積み重ねにより先行するものの、Doubao(豆包)やYuanbao(元宝)の成長も侮れない。テンセントは微信の巨大エコシステム(ミニプログラム、公式アカウント、動画アカウント、チャット履歴など)を生かし、着実な成長を見込んでいる。


なお、DeepSeek自体はC向け展開にはさほど関心を示さず、強化学習を応用した新モデル「DeepSeek V3」の開発により、数理・コード分野ではGPT-4.5を超える性能を記録しており、AGI(汎用人工知能)実現に向けた布石と考えられている。