TikTokの元アルゴリズム責任者・陳志傑(Chen Zhijie)が新会社「言創万物(YanChuang WanWu)」を設立し、AI Coding分野に本格参入したことが明らかになった。共同創業者はバイドゥ(百度)におけるEC(電子商取引)開発部門の元責任者・劉暁春(Liu Xiaochun)であり、持株比率は陳が52.5%、劉が47.5%となっている。
陳志傑は2010年にハルビン工業大学を卒業後、新卒でバイドゥ(百度)に入社。AI広告アルゴリズムや広告配信システムの再構築に貢献し、1年ごとに昇進を重ねてT9主任アーキテクトにまで昇格した。社内のAI強化学習プロジェクト「土星五号」では、広告トリガーシステムの再設計を主導し、社内最高賞を2度受賞した実績を持つ。
その後、動画配信プラットフォームYY(歓聚時代)でチーフサイエンティストを務めたのち、同社がバイドゥ(百度)に買収されたタイミングで退職。2020年末にはバイトダンスに加わり、TikTokの推薦アルゴリズムやデータサイエンスチームを統括。動画・ライブ配信・ECといった複数事業ラインにおける成長を支えた。
2024年4月、バイトダンスが大規模言語モデル関連事業を強化する体制変更を行った際、陳の報告ラインが変更され、かつての同格だった同僚の下に組織上置かれる形となったことが契機となり、陳は退職を決意。当初は動画生成分野での起業も検討していたが、より社会実装に近く、注目度の高いAI Codingへと方向転換したという。
AI Codingは、生成AIを活用した自動プログラミングやコード補完などの実用的な応用が期待されており、言創万物の動向は今後の中国AIスタートアップ界でも注目される存在となりそうだ。