CAMEL-AIコミュニティは、AIによる複雑タスクの自動化を目指して開発されたオープンソースのマルチエージェント協調フレームワーク「OWL(Optimized Workforce Learning)」を2025年3月に公開した。OWLは人間の協業スタイルを模倣し、タスクを細かく分解した上で複数のAIエージェントが役割を分担しながら実行する設計が特徴。GAIAベンチマークにおいて58.18という高得点で他のフレームワークを上回り、注目を集めている。
このOWLに統合されたのが、Anthropicが提唱する「MCP(Model Context Protocol)」だ。MCPはUSBのような中間プロトコル層として、AIと各種外部ツールやデータソースとの間の接続を統一的かつ柔軟に行えるよう設計されている。開発者は、MCP対応のサーバーを用意することで、ClaudeなどのAIがローカルのファイルシステムやAPI経由のリモートデータへアクセスできるようになり、より文脈を理解した応答が可能となる。
実際の応用例として、ユーザーが「Andrew Ngに関する学術レポートを作成し、Markdown形式でデスクトップに保存してほしい」と指示した場合、OWLはMCP経由でファイルアクセス、検索、整形といったツールを連携させ、複数のエージェントが協調しながら結果を自動生成する。このような流れは、ローカルとクラウドの垣根を越えた次世代のAIアプリケーション構築の在り方を提示している。
OWLの特徴は、マルチモーダル処理への対応にもある。画像分類、音声認識、PDFやPPTといったドキュメントの解析などをサポートし、Playwrightフレームワークによるブラウザ自動操作も統合。フォーム入力やファイルダウンロードのような人間の操作を、AIエージェントが自律的に実行可能となる。
さらにCAMEL-AIは、より高度なマルチエージェント協調のための基盤として「CAMEL」フレームワークを提供。LLMベースのエージェントに役割を与え、効率的な対話とタスク分担を実現する。CAMELは20以上の主要LLMに対応し、GitHubやGoogle Maps、検索エンジンなど多様な外部ツールとの連携も可能とするなど、拡張性に富む。
現在、CAMEL-AIはMCPツールを管理できるポータルサイトも運営しており、各種プラグインの導入方法も明示されている。AIによる業務自動化を模索する開発者にとって、OWLとMCPの組み合わせは有力な選択肢となるだろう。