2025年2月版「AI製品ランキング・ウェブサイト部門」の最新ランキングが公開された。今回注目を集めたのは、アリババのQwen(通義千問)が初めてByteDance(字節跳動)のDoubao(豆包)を上回り、中国国内ランキング3位に浮上した点だ。Qwen(通義千問)は「高度な推論」機能の実装とiPhoneとのローカル統合が奏功し、2月の訪問数は5,880万に達した。
同ランキングのトップは、引き続きDeepSeekが占めた。同社はWebとAppを合わせて月間アクティブユーザー数1.57億を記録し、これはChatGPTの約21%に相当する規模である。DeepSeekの流量(トラフィック)拡大の影響を受け、クラウドAIサービスのSiliconFlow(硅基流動)はアクセス数が40倍に急増し、国内ランキングで7位、さらにグローバルおよび国内の成長率ランキングでそれぞれ1位となった。
SiliconFlow(硅基流動)がこの急成長を遂げた背景には、創業者の袁進輝が語るように、DeepSeekのいち早くモデルを公開した方針に賭けた戦略があった。彼らは他社が対応に手こずる中、高効率なMLA実装に成功し、第三者として唯一DeepSeek V2の展開に貢献した。
また、テンセントのYuanbao(元宝)や、スタートアップのWenxiaobai(問小白)もDeepSeek経由のトラフィックを活用し、それぞれ1,612万と400万のユーザー数を記録。特にWenxiaobai(問小白)はメディア投資で20倍の成長を果たした。
さらに、今回から新たに「AIコードアシスタント」部門が設けられ、ByteDanceが開発したTraeが222万の月間訪問数で新規ランクインした。Traeは中国語開発環境に最適化され、IDEとの統合度が高く、滑らかで高精度な開発体験を提供している。
記事は、AI製品ランキングの重要性が増しており、投資家、開発者、企業にとっての戦略分析ツールとして機能していると強調している。AI業界におけるプロダクトと技術の競争は今後も加速する見込みであり、リソースの最適活用とスピードが勝敗を分ける時代に突入している。