Manusに対抗するオープンソース版「OpenManus」が登場した。わずか3時間で開発され、完全無料で利用可能。招待コードや待ち時間も不要。公式デモと比較すると、その再現度の高さがわかる。
OpenManusの開発には、モジュール化されたエージェントシステム、リアルタイムフィードバック機能、強力なツールチェーンという3つの要素が鍵となっている。エージェントシステムは、異なる役割を持つAIが協力しながらニーズの理解、計画、行動を遂行する仕組み。主エージェントがプロジェクトマネージャーのようにタスクを管理し、プランニングエージェントがタスクを細分化、ツールコールエージェントが技術的な処理を担当する。これらはMetaGPTのフレームワークを活用し、異なる大規模言語モデルを組み合わせることで実現されている。
思考プロセスの透明性も特徴の一つ。タスク受領後の問題解決や計画の立案過程がリアルタイムでフィードバックされるため、適切なタイミングでの人間の介入が可能となる。さらに、ブラウザ自動化、コード実行、ファイル処理など多様なツールを統合し、複雑なタスクの実行を支援する。
開発はMetaGPTの技術を基盤にしており、コアシステムは1時間、全体の構築に3時間を要した。開発者はMetaGPTに関わるメンバーで構成され、過去の技術的蓄積を活かして短期間での実装を実現した。
OpenManusの登場は、Manusの「パッケージ化」論争にも影響を与えている。Manusは、以前に「Monica」という製品を開発したチームによるもので、過去に「パッケージ化」との指摘を受けたことがある。そのため、Manusについても同様の疑念が持たれていた。しかし、OpenManusの開発プロセスを見ると、既存のオープンソースプロジェクトの統合に基づいていることが明らかであり、単なるコピーとは異なることがわかる。
オープンソースの利点は、既存の技術を活用しながら新たな価値を生み出す点にある。「パッケージ化」かどうかではなく、実際に生産性向上につながるかが重要なポイントとなる。現状では、Manusがその目標に到達するにはまだ課題が多いとされている。
【関連リンク】
OpenManus(GitHub):https://github.com/mannaandpoem/OpenManus