AIエージェント分野に新たな注目製品「Manus」が登場し、中国テック界で大きな話題を呼んでいる。Manusはラテン語「Mens et Manus」(手と頭)から名付けられた汎用AIエージェントで、ユーザーの指示を受け、自律的に思考、計画、実行を行い、レポートや表計算などの高度な成果物を完成まで提供できる点が特徴だ。GAIAベンチマークテストではOpenAIの同等モデルを上回る性能を記録しており、その実用性が評価されている。
しかし、市場の反応は二極化している。一部のテック関係者や愛好家はManusの性能に期待を寄せる一方で、その過剰なマーケティングや招待コードの価格高騰に批判的な意見も見られる。特に技術面では、Manusが完全に新しい技術的なブレークスルーではなく、「仮想マシン+マルチエージェント協調」を軸にCursorなど既存AIツールの再構築を行い、非技術者でも簡単に高度なタスクを遂行できるようにした点に主な革新性がある。
技術的には限定的な環境(ブラウザとOSの中間領域)でしか動作せず、自由度の高い操作には対応していない。また、同分野にはOpenDevinやClaude 3のような競合も存在し、将来的には大規模AIモデルがこの種の能力を直接内蔵する可能性もあるため、Manusが長期的に独立製品として存在できるかどうかは不透明だ。
今後、Manusが真にAIエージェント業界を変革する存在となるか、あるいは一過性のマーケティング現象で終わるのか、その行方が注目されている。