中国のAI動画生成企業AIsphere(愛詩科技)は、A5ラウンドの資金調達を完了し、総額4億元(約82億円)以上を確保した。今回の資金調達はEminence Ventures(靖亜キャピタル)が単独で行い、Aシリーズ全体の調達額は4億元を超えた。AIsphereが提供する動画生成プラットフォーム「PixVerse」は、海外で展開されており、累計ユーザー数は4000万人、月間アクティブユーザー数は1500万人に達している。さらに、中国国内向けのPixVerseが近日中にリリース予定となっており、ウェブ版とアプリ版の準備が進められている。
AIsphereは、データ、アルゴリズム、エンジニアリングの各分野での技術革新を進め、動画生成技術の高度化を図っている。最新のPixVerse V4では、最短5秒での動画生成が可能となり、安定性と精度が向上。「毒液変身」などの特殊効果は90%以上の成功率を誇り、初心者でも直感的に操作できる。データ面では、最適な学習データの選別と独自のラベリングシステムを活用し、アルゴリズム設計では、より高速で精度の高いモデルを実現するための改良が進められている。
AIsphereは2025年に、長時間の動画をリアルタイムでレンダリングできる技術の実現を目指している。これにより、動画制作のプロセスが大きく変わり、新たな市場の拡大が期待される。また、一般ユーザー向けには操作をシンプルにし、誰でも手軽に動画を作成できる環境を提供する一方で、プロ向けには高度な編集機能を搭載する方針だ。
商業化の面では、PixVerseのサブスクリプションモデルが確立され、AI生成素材のマネタイズが進行中。一部のコンテンツでは、AIによる生成速度が人間の創作に匹敵し、識別が難しいレベルに達しているとの指摘もある。AIsphereは、短編動画、EC、教育分野での需要拡大を見込み、AIを活用したコンテンツ制作の普及を進めていく方針だ。
【関連リンク】
AIsphere公式サイト:https://aishiai.com
PixVerse公式サイト:https://app.pixverse.ai/onboard