2025年2月21日から23日にかけて、上海で「全球開発者先鋒大会2025(Global Developer Conference 2025、以下GDC2025)」が開催された。AI業界が注目する大モデル技術に関する新たな動きが報告され、百億元(数千億円)規模にのぼるAIプロジェクトがわずか3日間でマッチングされた。
DeepSeekの登場を皮切りに、医療、金融、教育、さらには日常生活に至るまで、AI技術の浸透が進んでいる。例えば、衛寧健康は医療分野向けにWINGPT-2.8を発表した。このモデルは、病歴作成や医療スタッフと患者間のコミュニケーション支援、個別健康相談の提供など、医療現場での実用性が期待されている。また、WINGPT-2.8は20GBの事前学習データと50万件の指令データを活用し、薬品説明書や多病種知識ベース、臨床ガイドラインなどに対応している。
金融業界でも革新が進み、中電金信は「源啓・データ開発プラットフォーム」を披露した。このプラットフォームは、AI技術を活用して非構造化データの効率的な管理を実現し、商業銀行のデータガバナンスやサービス効率を向上させている。
GDC2025では新たな産業エコシステムの構築にも力を入れており、「模塑申城」プロジェクトを通じて上海市がオープンイノベーションを推進している。阿里巴巴(アリババ)や小紅書(RedNote)など多くの企業が協力し、AI技術の普及と産業全体の成長を支援している。
解説:「模塑申城」プロジェクトとは?
上海市が主導するAI分野におけるオープンイノベーション促進プラン。阿里魔搭コミュニティ、上海国投、庫帕思科技、RedNote(小紅書)などの企業が参画し、AI技術のオープンソース化や新興企業の育成を通じて、技術とビジネスの融合を推進している。特に、AIエコシステムの構築と産業全体の競争力強化を目指している。