中国のAI企業「階躍星辰(StepStar)」は、2025年2月21日に「Step UPエコシステム・オープンデー」を開催し、AIエージェント技術の新たな展開戦略を明らかにした。同社は、これまでに11種類の多モーダルモデルを発表しており、音声認識や画像生成、ビデオ生成など広範囲な機能を備えている。特に、吉利自動車と共同開発した「Step-Video-T2V」や「Step-Audio」は、業界最大規模のオープンソースモデルとして注目されている。
階躍星辰のCEO、姜大昕氏は、2025年を「Agent元年」と位置付け、多モーダル能力と推論能力が技術的な飛躍を遂げたと強調。 同社の「繁星計画」第2期では、開発者に対してモデル、算力、資本、データ、企業インキュベーションなど包括的な支援を提供し、AI技術の実装を促進する構えだ。
特に注目すべきは、階躍星辰がスマートカー市場で吉利自動車や千里科技と提携し、「AI+車」の次世代ソリューションを共同開発する動きだ。 同プロジェクトでは、AI大モデルを車載システムに組み込み、L3・L4自動運転の実現を目指している。また、OPPOとも協業し、新型スマホ「OPPO Find N5」には、階躍のAIモデルを組み込んだ「一鍵問屏(ワンクリック画面質問)」機能や「一鍵全能搜(ワンクリック万能検索)」機能が搭載された。
さらに、IoTやロボット分野でも「智元ロボット」や「TCL」などと協業し、産業界でのAIエージェント技術の普及を進めている。同社は新小売、金融、デジタルコンテンツ分野でも多くのパートナー企業と連携し、AIの産業実装において実績を積み上げている。
姜大昕氏は、AI業界の「長期的なシナリオ重視」の姿勢を示し、今回の発表を通じて階躍星辰が「産業協同の接力長跑(リレー長距離走)」をリードする存在であることをアピール。AI技術の進化が単なる技術競争を超えて、実際の産業応用における真の価値創造を目指す姿勢を強調した。