北京中科慧霊機器人技術有限公司(霊宝CASBOT)は、新たな資金調達により、シードラウンドでの累計調達額が100億円超に達した。聯想創投や国投創合、河南資産基金などが投資を行い、資金は人型ロボット「CASBOT 01」の量産と核心技術の開発に充てられる。
霊宝CASBOTは2023年の設立以来、人型ロボットと具身知能技術の開発を推進してきた。2024年11月には、初の双足人型ロボット「CASBOT 01」を発表。52自由度の関節を持ち、算力550T、4時間以上の連続稼働が可能で、産業、商業、家庭などの幅広い分野に応用できる。特に、「大脳から小脳、本体、バイオニックハンドへとつながる全スタック技術」により、高精度な全身制御と長時間の精密作業を実現している。
技術面では、分層エンドツーエンドモデル技術を採用し、「エンドツーエンド具身大モデル」「分段決定モデル」「示教模倣訓練スキルモデル」などを組み合わせることで、より柔軟で知的なロボット制御を可能にした。モデル学習においても、仮想と現実のデータを統合し、混合学習技術を駆使することで、ロボットの自律性と適応力を向上させている。
また、運動制御技術では、対抗運動の先行知識と全身制御(WBC)を組み合わせたフレームワークを採用し、動的環境下での安定した動作を実現。さらに、強化学習フレームワークに基づき、生成対抗模倣学習ネットワークを活用して、より人間に近い歩行動作を可能にした。こうした技術の成果として、霊宝CASBOTの「CASBOT SE」は2024年の中関村バイオニックロボット大会において、人型ロボット競技部門で3位に輝いた。
霊宝CASBOTは、ロボットの実用性を最優先に考え、操作能力の向上に重点を置いている。その一環として開発された五指ロボットハンドは、高度なコンパクト設計と一体化された駆動・伝達・感知・制御システムを備えており、人間の手に近い動きを実現することで、精密作業の分野での活用が期待されている。さらに、ロボットは自然な言語対話機能も備えており、エンターテインメントやカウンセリングなどのサービス分野でも活躍している。2025年には、新たな人型ロボットやロボットハンドを発表し、さらなる技術革新を進める予定だ。
霊宝CASBOTは今後も、産業界のニーズに応えるために、ロボット技術の高度化と市場適応を強化し、社会全体の生産性向上に貢献していく方針を示している。