中国初の「AI小児科医」正式稼働、多学科診療に参加

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概要ポイント
  • 北京児童医院が「AI小児科医」を初導入し、専門医と共同診断を実施。
  • AIは百川智能の大規模AIモデル「Baichuan M1」を基盤に構築。
  • 8歳男児の難病症例診断に参加し、専門医と一致する診断結果を提示。
  • AIは臨床推論を行い、診療の効率化や医療資源の均衡化に寄与。
  • 北京児童医院は今後、AIの活用範囲を拡大し全国の児童医療を支援。
本文

2025年2月13日、国家児童医学センター・北京児童医院は、中国初の「AI小児科医」を導入し、多学科診療に活用した。このAIは百川智能と小児方健康科技が共同開発し、大規模AIモデル「Baichuan M1」を基盤に構築された。13名の専門医が参加する会診に加わり、8歳男児の脳底腫瘍とチック症状の症例を診断した。

診療では、専門医が患者の病歴を精査し、MRI検査の必要性を判断。一方、AIは事前に患者情報を入力された上で診断を行い、専門医の見解と高い一致率を示した。AI小児科医は、過去の診療データや専門知識を基に臨床推論を行い、診断仮説を立てた後、データ分析を通じて最適な診療方針を提案する。

このAIは300名以上の北京児童医院の専門医の診療データを学習し、構造化臨床推論を行う能力を持つ。医師の診断を補助し、最新の医学研究や診療ガイドラインの迅速な参照を可能にする。百川智能のCEO王小川は、AI医療が人工知能の最も重要な応用分野の一つであると述べ、医療格差の解消や診療効率向上に大きく貢献すると期待を寄せた。

北京児童医院の院長倪鑫も「新時代の児童健康は大規模AIモデルから始まる」とし、AI小児科医のさらなる研究開発と普及を推進する方針を示した。同院は、AIを活用し全国の小児医療機関や家庭医療を支援し、医療リソースの均衡化と高品質な医療サービスの提供を目指している。