阿里巴巴(Alibaba)の通義実験室(Tongyi Lab)は、2025年2月10日に新たなAI技術「Animate Anyone 2」を発表した。この技術は、静止画像を基にキャラクターを抽出し、動画内の人物と自然に置き換えることができる。従来のフェイススワップ技術では顔の入れ替えにとどまっていたが、「Animate Anyone 2」は全身の動作まで含めて環境に統合し、違和感のないアニメーションを生成する点が特徴だ。
本技術は、背景情報の解析による環境との統合、物体との相互作用の強化、姿勢調整技術を組み合わせることで、キャラクターの動きをよりリアルに再現する。これにより、静止画像からでもスムーズな人物動画を生成できるようになった。競合技術であるViggleと比較すると、「Animate Anyone 2」は動作の自然さや背景との調和において優れており、特にキャラクターの姿勢や動きの柔軟性が向上している。
しかし、まだ完全にAI特有の違和感が解消されたわけではなく、複雑な動作ではキャラクターの形状が崩れるなどの課題も残っている。現在は商用化されておらず、研究開発の段階だが、映像制作やコンテンツ創作における新たな可能性を切り開く技術として、今後の展開が注目される。
プロジェクト公式サイト:https://humanaigc.github.io/animate-anyone-2