DeepSeekは2025年1月20日、「DeepSeek-R1」を正式リリースし、モデルの重みをMITライセンスでオープンソース化した。強化学習を用いることで、わずかな注釈データでも数学・コード・自然言語推論などでOpenAI o1に匹敵する性能を示しており、研究者や実務利用者の注目を集めている。
特筆すべきは、R1の出力を活用して複数の小型モデルを生成し、それらをコミュニティに向けて公開した点だ。32Bや70Bなどの異なるモデル容量でOpenAI o1-miniを超える成果を示し、さまざまなニーズに応えられる柔軟なアーキテクチャとなっている。
同社はライセンス面でも従来の「DeepSeek License」を廃止し、標準的なMITライセンスへ移行。商用利用や派生モデルの再学習、モデル出力を基にした追加開発などを制限なく行える体制を整備した。また、API呼び出し時にmodel='deepseek-reasoner'と設定すれば、Chain-of-Thought(思維链)の推論過程を取得できる点も大きな特徴で、AIの思考プロセスをより詳細に観察可能だという。
API利用料金は入力トークンがキャッシュ状況に応じて百万単位1元または4元、出力が16元。DeepSeek公式サイトやAppを介して即日利用を開始でき、さらに詳細なドキュメントは同社の開発者向けページに公開されている。今後は技術コミュニティとの連携を強化し、多岐にわたる分野での応用を推進する方針を示している。