Omdiaの最新レポートによれば、2025年上半期の中国AIクラウド市場規模は223億元(約4,683億円)に達し、 アリババクラウドがシェア35.8%で首位を確保。2位から4位の合計を上回る構図となった。 2024年の市場は208.3億元(約4,374億円)で、2025年通年は518億元(約1兆0878億円)に拡大する見通し。 2030年までの年平均成長率は26.8%とされ、特にMaaS層が牽引役となる。
アリババはIaaS・PaaS・MaaSを縦に統合した「フルスタック」体制を構築。 IaaSではGPU弾性算力や大規模学習クラスタ、高性能ストレージCPFSとHPN7.0ネットワークを提供。 PaaSではPAI、MaxCompute、EASなどで学習・データ処理・推論をカバー。 MaaSでは通義Qwen、DeepSeek、Llamaなど各種モデルAPIや微調整、アプリ開発基盤を外部提供し、 企業の海外展開や中小企業の生成AI導入を後押しする。
通義Qwenの全面的なオープンソース展開により、派生モデルは14万超に拡大。 アリババは今後3年で3,800億元(約7兆9,800億円)をクラウドとAIインフラに投じ、 2025年以降だけでも北京、上海、杭州、タイ、韓国、マレーシア、ドバイ、メキシコでデータセンターを追加稼働。 直近決算ではクラウド売上が前年同期比26%増、AI関連収益は8四半期連続で三桁成長を記録し、 同社のフルスタック戦略が市場拡大を下支えしている。