ディズニー、AIアニメとショートドラマに賭ける──Accelerator Program 2025の核心

出典:https://mp.weixin.qq.com/s/-PAPuvfT_y6Rc_-4jrdLvg

概要ポイント
  • 2025年のAccelerator ProgramでAnimajとDramaBoxを採択。
  • AnimajはAIで制作効率を大幅改善、短尺と長尺の二層戦略。
  • DramaBoxは点衆科技が展開するショートドラマで2億超ユーザーを獲得。
  • ショートドラマのマイクロ課金モデルはDTC収益強化の可能性。
  • ディズニーは新興フォーマットを検証しIP活用を拡張。
本文

ディズニーは2025年のAccelerator Programにおいて、AIアニメ制作企業のAnimajとショートドラマ配信プラットフォームのDramaBoxを選出した。両社は、制作技術と物語形式の両面で映像産業に大きな変革をもたらす存在とみなされている。Animajは自社AIを活用し、分鏡スケッチを直接3Dアニメーション化するなど、従来の高コスト・長期間型制作を大幅に短縮する技術を開発。YouTubeや広告動画向けの短尺と、SVOD向けの長尺シリーズという二層構造で市場を攻略する。すでに1.75億人以上のフォロワー基盤を持ち、将来的にはアニメ制作インフラの地位を狙う。


一方、DramaBoxは中国・点衆科技が展開する海外ショートドラマアプリで、登録ユーザーは2億人を突破、月間アクティブは5000万を超える。2025年7月にはダウンロード数1,550万、収益4,168万ドル(約64億円)を記録し、世界のショートドラマ市場を牽引した。ショートドラマは安価かつ短い視聴体験に加え、単話解放や分岐ストーリー課金といったマイクロトランザクション型の収益構造を備えており、従来のサブスクリプション型モデルに依存してきたディズニーのDTC事業に新たな収益機会を提供する可能性がある。


ディズニーにとって、この二つの投資はIP活用戦略の拡張を意味する。AI技術を活用することで制作工程を効率化し、ショートドラマを通じてストーリーやキャラクターの人気を事前に検証することが可能になる。大規模な映画・ドラマ制作に先立ちショートドラマで市場を試す手法は、リスク低減と観客需要の把握に寄与する。


総じて、ディズニーはAIとショートドラマという二つの新興領域を通じて、グローバルな映像市場における競争力を再構築しようとしている。これはNetflixがコンテンツ量と広告事業で成長を続ける中、ディズニーが多角的な成長路線を模索する戦略の一環と位置づけられる。