MegaRobo(鎂伽科技)、自主インテリジェントロボットで中国首位──評価額105億元で香港IPOへ

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概要ポイント
  • MegaRobo(鎂伽科技)は生命科学と製造業向けの自主インテリジェントロボットで中国市場首位
  • 自動化実験室や高精度検査・加工機器などを展開し、大手と連携
  • 3年間で売上3倍に拡大しつつも、赤字は継続
  • 8回の資金調達で累計27億元(約585億円)を調達、評価額は105億元(約2,275億円)
  • IPOで得た資金は研究開発、生産拡大、営業網強化に活用予定
本文

ロボットスタートアップのユニコーン「MegaRobo(鎂伽科技)」が、香港証券取引所への上場申請を行った。2016年に創業した同社は、「科学者の労働をロボットで代替する」というビジョンのもと、生命科学と製造業の2大分野に向けて、自律型インテリジェントロボットを開発・販売している。


生命科学分野では、液体処理や細胞画像分析、医薬品自動製造などを担う「ロボット科学者」を提供。特に新型コロナ禍では、試薬分注を自動化するシステムを25日で開発・納品し注目された。一方の製造業分野では、半導体や電池の高精度検査、レーザー加工に対応するロボット群を展開している。


いずれの製品群も、AIによる「感知(センサー)」「構想(判断)」「実行(動作)」の統合設計が特徴。顧客には製薬大手の薬明康徳(WuXi AppTec)や製造大手の博世(Bosch)などが名を連ね、導入先は累計880社超に及ぶ。2022〜2024年の売上は年平均43%で成長し、2024年には9.3億元(約202億円)を記録。製造業向けが収益の7割近くを占め、利益率も安定して向上している。


一方で、事業はまだ赤字が続いており、2024年の純損失は7.8億元(約170億円)。R&Dコストが収益の4割超を占めているが、成長に向けた投資として注視されている。累計では8回の資金調達で27億元(約585億円)以上を集め、評価額は105億元(約2,275億円)。出資者には高盛(Goldman Sachs)、李開復(Kai-Fu Lee)のInnovation Works、博世(Bosch)、薬明康徳(WuXi AppTec)などが含まれる。


創業者の黄瑜清(Huang Yuqing)氏ら3名は、電子測定機器業界出身で、科学技術の解放を目指して創業に踏み切った。当初はロボットハードウェアの開発に注力したが、市場ニーズに合わせてソリューション提供型へ転換した経緯がある。


中国国内におけるインテリジェントロボットの売上ランキングでは、2024年時点でMegaRoboがトップに立っている。グローバルで見ても、アメリカ5社、スイス2社に続き、中国から3社がランクインしており、その一角を担う存在だ。


今後、IPOで得た資金は、研究開発、販売網の拡大、戦略提携に活用される予定。次なるステージとして、グローバル競争を視野に入れた成長が期待される。