テンセントは、自社の3D生成AI「Hunyuan3D」の大幅なアップグレードを発表し、「Hunyuan3D-PolyGen」と呼ばれる業界初の美術レベル対応型3D生成大規模モデルを公開した。従来の3D生成技術では、ポリゴン数の多さやトポロジーの乱雑さ、後編集の困難さが大きな課題となっていたが、PolyGenはそれらを克服し、プロの美術制作水準に近いデータを自動生成する。
その核心技術は、テンセントが独自に開発した高圧縮トークン化技術「BPT（Blocked and Patchified Tokenization）」にある。従来、1ポリゴンの表現に9トークン必要だったのに対し、BPTでは平均2.3トークンにまで圧縮可能。これにより、最大2万ポリゴン以上の複雑な幾何モデルの構築を可能とした。さらに、空間をブロック化し、頂点表現をブロック座標に変換、ポリゴンをパッチ単位でまとめることで、生成効率も大幅に改善された。
加えて、PolyGenは生成結果の安定性を強化するため、強化学習による後訓練モジュールを導入。これにより、生成品質のばらつきを抑え、整ったトポロジーと細部表現を安定して再現できるようになった。
性能比較では、従来のSOTA（最先端）モデルと比較してトポロジーの整理度・細部表現・安定性において明確な優位を示し、また従来のリトポロジーアルゴリズムよりも少ないポリゴン数で優れたディテール保持を実現している。
この技術は、すでにテンセントのUGCゲーム開発や社内ゲーム制作パイプラインにも組み込まれており、3Dアーティストの建模作業の効率を70%以上向上させる成果を上げている。一般向けの体験サイト「Hunyuan 3D AI創作エンジン」でも利用可能で、文から3Dや画像から3Dを生成する機能と連携し、スマートなトポロジー処理が行えるようになっている。
